僕とファンタビ

Caution!このブログにはファンタスティックビースト2における細部までの重大なネタバレがあります。

 

ハリポタのオタクです、クソガキの頃私が活字に親しんだ子になって欲しいという両親によってハリーポッターの1巻を買い与えられた時から22に至るまで15年間も……なに??と言うかもしかしたら人生で初めて出会った好きなジャンルかもしれません、映画1作目を見て買い与えられた1巻を開きそれ以降以降細く長くといった感じで付き合いがあります。

好きなのはトムリドルとバーテミウス・クラウチ・ジュニアです(めちゃピンポイント……)などとどうでもいい話はこの辺にして書きましょううか。

 

この世は終わり。

ファンタスティックビースト2を見た全ての人がまず思うであろう気持ちです、これだけはマジに言えるんですけど1作目と同じ気持ちで見に行くもんじゃねえ。賢者の石→死の秘宝と表現した人にノーベル文学賞、まさしくそんな感じ。ファンタスティックでもなければ元気にもならん。なる人おるか??前作は観たら元気になった旨の白ハゲ漫画バズってましたけど今作のあれ見て元気になるやつサイコパス、そう思います。

ちなみになんですがミスト クローバーフィールド 第9地区 28日後が好きな成人オタクである私は好きでした、だけどあれは小学校低学年の子供が見に行くものではなかったね。ハリーポッターだってリアルタイムで追いかけてた同年代の子供達がティーンになってから話が真っ暗になったじゃん?そして無邪気な5年間など皆無。登場人物が大人だから思春期の色恋は無く、第二次大戦へと向かう澱んだ世相の暗さが地下水のように根底に流れて作中の至る所に滲んでくる。

いや早く書きたいんだけど間違ってブログのボタン押した人もこんだけ書けばさすがにネタバレは目に入らんやろ、書きます。

 

 

推しが闇堕ちをした。

2016年12月に1作目を見た時から推しはクリーデンス・ベアボーンです。彼の闇堕ちはなんというか……完!詰み!死!って感じでは??最近流行りのループ系で例えるならニュートが主人公 クリーデンスがヒロインじゃん(正気か?)間違いなくBAD END、そしてトゥルーエンド。そうじゃない?改心直後にニュートかティナかナギニをグリンデルワルドの発した死の呪文から庇って死ぬキャラじゃん。もしくは空襲による銃撃とかかも知れない、なんかクリーデンスの死因は魔法というより人間って感じがするんだよね。でも悲しいことにファンタスティックビーストは映画なので終わり方は一つしかないしそれがグッドエンドってわけじゃないですか……それってもう慈悲がなくない??これほど慈悲がない仕打ちはない、クリーデンスが他の人に引き取られるルートにことごとく救いがないなんて……

つーか1作目から闇堕ちはしてたね。オブスキュラスの時点で半闇堕ちと言っても過言はないのですが完璧にグリンデルワルドについていったわけですよ、これはもう完堕ち。そしてグリンデルワルドに使うだけ使われるのかと思いきや普通に杖を渡されていた。そういえば父と兄に虐待されてたけどその二人が投獄され生まれて初めて自由を手に入れた結果、抑圧されてた魔法を使えるようになった魔女がいましたね。メローピー・ゴーントっていう名前なんですけど……後にトム・リドルを生んですぐ亡くなりその息子はヴォルデモートって呼ばれるようになって……。

まあでも大きな子供で怯えて痛々しかった前作に比べ全体的に地に足が着いてたから安心しました、自由になったこと以上に守るべきナギニと出会ったのはあると思う。前は常に義母の顔を伺ってたからか猫背で顔も下に向けて目だけ上にあげてたじゃん?(まあ12月のNYであの格好だったし寒かったのはあると思いますが)今回は背筋が伸びて基本的にナギニを庇うために一歩前に出てた気がする、そういう変化がとても見てて嬉しかった。基本的には推しの幸せを願ってるアカウントですので。人質を取られて無理やりとかならまだしも自らの意思で選んだことなら見守りたいんですよね。クリーデンスの年齢は19……20?役者のエズラは26だっけ、ともかく成人男性の言うことにいちいち口出すのもなんか……って感じだし。よく考えたら前作でクリーデンスを騙したのは“グレイブス”であって“グリンデルワルド”ではないんですよね。だってクリーデンスが『殺された』後にグリンデルワルドは化けの皮を剥がされたわけで、オブスキュラスの欠片として確かにその一部始終を見ていたはずのクリーデンスにその記憶がある……はず。2作目ではオブスキュラスを自由に操れると書いてあり実際クリーデンスはそうだったわけなだからあってほしいな、自分を騙した男について行くっていうのはどうかと思うけど。

ついでにクィニーも闇堕ちをした……開心術が勝手に作動するという設定からしても取り繕わない心の声が聞こえる状況が雪崩れ込んでくるのはしんどかったんだろうなとは思います。ただでさえジェイコブが目の前で記憶をなくしていったあのNYの大雨を思い出すような天候の中ノーマジの声がワンワン響くパリのシーン。あれが決定打で、あそこで手を差し伸べてくれた側に付いて行きそうな危うさを感じられた。いやついて行ったんですけども……(追記:クィニーはグリンデルワルドの「自由な恋愛」からあと顔つきが確実に変わってたからあそこが決定打みたいです)ってかなんか2作目のクィニーやたらとヤンデレじゃなかったか??ジェイコブを魅了呪文みたいな……愛の妙薬かありゃ??(追記:脚本読んだところ魅了呪文でした)なんかとりあえず再会したけど考え方の差異とかもあるしなにより己の恋を邪魔する魔法界の法律を破りたかったのかもしれない。

いやまあ彼女のこともクリーデンスのことも一概に責めることなんてできないんですよね、魔法界の法律に縛られて生きていたけど初めて恋をしたり、虐待をされていたけど自由になって家族を知りたいと願ったり、そして初めて得た自我を貫きたかったんだろうと思う。だからと言って人を殺したりそれに賛同してもいい理由になんてならないんだけど……

もうなんか本当の本当にしんどかった、1作目はせいぜいクリーデンスが生きたか死んだかじゃん。そんなもんじゃないもんな今回は、みんな生きて……いやクリーデンスだけはマジに生かしてくれや(多分5作目で死にます)

 

ナギニ、共依存というより天涯孤独の孤児として雑踏の中二人で支えあってきた姉弟という感じが徹頭徹尾漂ってたね。一見共依存っぽいんだけどナギニの方が自分を保ってた感じ、恐らく彼女はクリーデンスにサーカスから救いだされたのもあって慈愛にも似た感じがある。展開的にはアレでは??クリーデンスを連れて行ったグリンデルワルドを憎悪している、多分クリーデンスのためなら何でもしそうだからそこを利用されそう。でも多分クリーデンスは5作目で死ぬんですよ

で、蛇として生きようとする。もしかしたら悲しみで蛇から変われなくなったのかもしれない、メローピー・ゴーントは夫のトム・リドル・シニアに逃げられたショックで魔法が使えなくなってました。メローピー・ゴーント、生まれと育ちと家庭環境が悪く愛に恵まれず心が弱い魔法使いの典型例だから大抵のことは彼女を雛形にすれば分かる。そしてクリーデンスを弄んで殺した憎きグリンデルワルドを真に“殺した”ヴォルデモート(ニワトコの杖のうんぬんかんぬんですね)に一生を捧げるようになった感じ。ヴォルデモートが優れた開心術師って設定6巻であった……あったよな?多分ナギニの心も読めるはずだから何を経験して己について来てるのかわかるでしょ。

そしてクリーデンスがいないのなら悪が蔓延っても善が勝ってもナギニの中では大差なくて、ただ仇のグリンデルワルドを撃ったという理由でヴォルデモートに義理があったという感じでは??一種の諦念、そしてスネイプもネビルも『どうでもいいから』一律に殺そうとした。クリーデンスとその他って感じで世間を捉えてそうな危うさがある。

 

グリンデルワルドが逃げる最初のシーンから追従して手引きをしていたアバナシーにまつわる疑問点。

いつからグリンデルワルドの手下なの、彼。(前作からなら全てが反転する逆スネイプ現象じゃん) 1作目地下鉄でのグリンデルワルドの大演説(直に聞いたのは闇祓いオンリーだけどニューヨークゴーストなどの新聞とかで全文を読んだ)で靡いた or 元からグリンデルワルド側で彼の渡米並びに成り代わりの後で右腕として魔法省からマクーザに引き抜かれた どちらでもあり得ると思っています。それぞれこじつけに近い強引な理由ですが一応根拠はあるので……。

前者ならグリンデルワルドは前作(1926年冬)より前に軍隊を組織していたはずだし誘った意味は『杖をスムーズに取り返したかった』の一点、なぜならアバナシーは杖認可局員。杖認可局員だからこそ冒頭でピッカリー議長に杖(実際はチュパカブラでしたが)を渡してもなんら不自然ではなくそこを狙って入れ替わりをした……はず。
杖認可局ということは杖職人ほどではないにしてもその辺の魔術師より杖に関する知識があり、なおかつ死の秘宝のニワトコの杖に対する興味関心も人一倍なんだよね。一方でグリンデルワルドの杖はマクーザ逮捕時(おまけにこの逮捕は武装解除ではないからまだ所有権を保有してる)既にニワトコの杖なんですよ、その後発見したニワトコの杖の闇の魔力に取り憑かれた可能性はあり得る。グリンデルワルド個人と言うより『ニワトコの杖の保有者』としてのグリンデルワルドに酔心状態なんじゃないでしょうか。
とは言えこの場合だと何故マクーザに英国人のアバナシー?という疑問が残りますね(ハリポタシリーズでは英国人役は英国人 米国人役は米国人)わざわざノーマジとの関係が閉鎖的なアメリカに行くものなの?排他的という人格の下地があり純血主義(にならざるを得ない)アメリカに行ったのでしょうか。

逆に後者ならスコティッシュのケヴィン・ガスリーがアバナシーを演じた理由がすぐ見つかりますね。グリンデルワルドは一作目でアメリカに行く前ヨーロッパにいたんですから英国人のアバナシーが右腕としてマクーザに潜り込んでいるのは極めて自然です。 考えれば考えるほど米国のマクーザに英国人のアバナシーって合わないんですよ。ただのモブのマクーザ局員に過ぎないならアメリカ人でいいはず、何故わざわざケヴィンという人選なのか、それを解消するのはこの説ですね。

ところで後者では二つ目の疑問でもあるケヴィンのインタビューにあった「スパイ」「認められるのに必死」が突然輪郭を表してきますね。 (つーかこのインタビューどこにあるんだよ、他人のふせったーにあったので血眼で探してんだけど見つかんね~!)
ハリポタを経ているとスパイで浮かぶのはスネイプ。それをなぞるとするならばクィニーを心から愛していたけどジェイコブと幸せになるなら……というやつなのでしょうか。スネイプもヴォルデモートを喜ばせようとしてた(表向き)ので取り入ろうと必死なのはそういうことかもしれない。取り入れるとこまで取り入らないとスパイというのは意味がない故に必死。とは言え今回のクリーデンスは闇のハリーポッターという見方からしてスネイプの立ち位置も入れ替わっているというのはあり得そうだよね。グリンデルワルドの持っていた髑髏型のタバコあるじゃないですか。あれでクィニーがノーマジとの関係に悩んでグリンデルワルド側に来ることでも見せたのでしょうか。
恐怖支配派のヴォルデモートに対して懐柔派じのグリンデルワルド。二人の大きな違いをここから生むとしたら、恐怖故に愛に裏切られ殺されたヴォルデモートと懐柔故に愛を裏切らせることができるグリンデルワルドとかか?現にクィニーはジェイコブへの愛を裏切ってるしアバナシーもクィニーへの愛を裏切ったのかもしれない(結果として二人同じ方向という皮肉な結果になってんだけど)

グリンデルワルドが成り代わってたグレイブスの命令でゴールドスタイン姉妹の監視してたのにマクーザで昇進してません?一介の杖認可局員ってマクーザの極秘事項(グリンデルワルドの移動時)に杖渡す役任されます?局長になっていることも考えられるね。 あと、これはずっと思っていたのですがマクーザものすごく杜撰じゃない?仮にも無言呪文ができるグリンデルワルド相手に舌を切りましたってそんな……そんな杜撰なことあるか?現にグリンデルワルドに再び変身術を使われてるし……

アバナシーの名が頑として出ないのは何か理由があるのかな。アバナシーの出身であるイギリスの魔法使いで純血至上主義者といえば聖28一族。仮に彼が今後この28一族の誰かと結婚するならば本命はグリンデルワルドの軍隊に同じく属すロジエール、対抗でマルフォイあたりですか?大穴でヴォルデモートの母親の旧姓ゴーント……リトル・ハングリトンでしたっけ。ロンドンのプリベット通りから300km……北ならスコットランド圏内ですけどまあ普通にメローピーで血が絶えてるから違いますね。
ロジエールが怪しい。グリンデルワルドの軍隊の中での男女だし思想の一致だしロジエール家は闇の魔法使いが多いですからね。原作者そこまで考えてないと思うよ、じゃねーんだよ。こちとら何回そう思って裏切られてきたと思ってんだここまで視野に入れとかないと何が起こるかわかんねーだろ!?

いやまあ進んで自ら闇堕ちの方が人生楽しそうなのでそれで良いと思います、バーテミウス・クラウチ・ジュニアの再来じゃん。クラウチJr、一見臆病で頭が良くいじめられっ子って感じなんだけど腹の底では父親から愛をもらえなかったから嫌悪してるんだよね。父親を殺した告白もなんの感慨も伴わない話し方でサイコパス!って感じなんですけど映画でクソ改変食らった。蛇みたいな言動してました、非常にしんどい。やめとこ!やめやめ!!

 

もう何も分かんないんですよね。ぶっちゃけクリーデンスが吹き込まれた「君はアウレリウス・ダンブルドア、君の兄弟が君を倒しに来る」のセリフだって22歳くらい差があるのに兄弟とかありえないし(ダンブルドアの両親は彼が10代の時に死んでます)でもクリーデンス自身はダンブルドアなんて見たことないから嘘を信じてる、無知は罪。だけどクリーデンスにとっての幸運はクィニーが同陣営にいることで彼女がいれば多分守ってはもらえるんですよ、それが果たして幸せなのかは別として。

現在クィニーとジェイコブの幸せな二次創作やニューティナに引き取られたクリーデンスの幸せな二次創作が別の意味で特攻になってます。前作はifルートとして暗示されてたからその意味での特攻だったんだけど今作は……本当にifとしてしか存在しない幸せな世界線の物語として特攻になってる……

お願いがあるんですけど皆さん、アンノウン・マザーグースというボカロがあるんですけど聞いて…………歌詞がクィニーとクリーデンス。地面に崩れ落ちしゃがみこんだ背中合わせの二人が空に向かって歌う様子が瞼の裏に浮かぶ。(ろくろを回す格好)古のオタクなのでイメソン厨なんですけど今回は本当に無理では??いやボカロてなん年ぶりの話??無理じゃんやっぱ。死ぬしかねえよなこれ……助けて~~もう本当にマジ……見にいった帰りに聞いたらぼろ泣きしてたんだよね。意味がわからない、自分の気持ちが分からないのは久しぶりです。それくらい精神をぐちゃぐちゃにされました、クリーデンスお願い生きてよ。

こんな気持ちをあと6年も抱えて生きねばならない。2年おきで公開、残り3作ということはあと6年。原作 無い、話の展開 読めない、無理。もう嫌……………………

 

(追記:1945年にグリンデルワルドの戦いが終わったのはWWⅡとの相関関係があるらしい、ヒトラーとの相似が示唆されていました。作中の演説で出てくる戦争のシーンは恐らく戦車と兵隊が東部戦線、戦闘機からの銃撃がドーバー海峡、貨物列車と人の列がホロコースト、そして原爆……クリーデンスとジェイコブはユダヤ系の役者がやってるってことは作中でもユダヤ系って事で、ジェイコブはアメリカに戻ればセーフ!だけどクリーデンスはどうするのか。頼むからハリポタのオタクみんな世界史を紐解いてくれ、1943年前半までのヨーロッパは枢軸が東部全域を支配してるしソ連もかなり苛烈な粛清をしてるんだよ。もうそうなるとイギリスが中心じゃん、クリーデンスはイギリス以外行き場がない。あとはまあオーストラリアに作中の最後で行ってんだけどそのままオーストラリアにいてくれませんかね?)